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しみ抜き・お手入れ

知識・経験・技術で「新調感」を蘇らせる

緞通の主染料として使われている藍は百余年の年月とともに、移りかわり、風合いが深まります。そんな緞通の美しさを保ち、末永くご愛用いただくためにお手入れは必要です。多くの緞通は長年溜まった埃やしみ等の汚れの蓄積しております。さらに当時最先端であったドイツの化学染料と自然染料である草木染めが混在しています。
 
当社は赤穂緞通の生産地として、現存の織手や研究施設などから様々なノウハウを取り入れ、赤穂緞通の特有の美しさを蘇らせるためのお手入れを承っております。一般的なクリーニングとは異なり、洗張り・しみぬきの技を基本とし、丁寧で安心していただけるしみ抜き・お手入れを行っております。

しみぬきサンプル

赤穂緞通「卍格子」。焼け焦げて使用できない緞通を使い128通りの試し抜きを行うことが出来ました。汚れの落ち具合、藍の冴え具合、格子の退色具合。洗剤の濃度・種類・濡らしている時間・脱水法・灰汁の動き・染料の動き具合・型崩れの具合等色々な条件の中から最適な手入れ法を採用します。
赤穂緞通「卍格子」。焼け焦げて使用できない緞通を使い128通りの試し抜きを行うことが出来ました。汚れの落ち具合、藍の冴え具合、格子の退色具合。洗剤の濃度・種類・濡らしている時間・脱水法・灰汁の動き・染料の動き具合・型崩れの具合等色々な条件の中から最適な手入れ法を採用します。

境目をくっきりとしみ抜くことが出来ました。
境目をくっきりとしみ抜くことが出来ました。

毛足を含めて10mm以上ある段通を輪じみを残すことなく しみ抜き処理しております。
毛足を含めて10mm以上ある段通を輪じみを残すことなく
しみ抜き処理しております。

赤穂緞通、裏地に差し込まれた糸から染料がにじみ出てきます。染料を横に泳がすのではなく、縦に泳がすことで染料のにじみを防ぎます。
赤穂緞通、裏地に差し込まれた糸から染料がにじみ出てきます。染料を横に泳がすのではなく、縦に泳がすことで染料のにじみを防ぎます。

お手入れ前とお手入れ後の比較

お手入れ前/お手入れ後

赤穂緞通「市松に雲竜文・縁龍文」
赤穂緞通「市松に雲竜文・縁龍文」

赤穂緞通「網利剣文・縁矢羽根文」
赤穂緞通「網利剣文・縁矢羽根文」

赤穂緞通「牡丹唐草文・縁卍繋文」
赤穂緞通「牡丹唐草文・縁卍繋文」

作業工程のご説明作業工程のご説明

当社の業務ポリシー当社の業務ポリシー

作業工程のご説明

手作業中心の丁寧な作業と、職人の技術でお手入れいたします。
当社では、しみ・汚れを取り除くだけではなく、糊がきいてパッキリした「新調感」を蘇らせることを目指します。
長くご愛用いただくための「お手入れ」としてお考えください。お預かりしてからおよそ4週間程度で納品させていただきます。
(※鍋島緞通・堺緞通のお手入れに関してはも赤穂緞通に準じて行います。)

一般的な美しさへ
汚れた緞通をお手入れする際、変色も含めて全体の汚れを落とします。(そのため全体が白化することがあります。)

古美術向けの美しさへ
変色した染みは緞通の歴史として捉え、草木染めや綿の風合いを重んじた仕上がりを目指します。

検品
緞通の状態を調べ、汚れの原因を想定いたします。デザイン、配色バランス、染料によっても洗浄方法が異なる上、使用期間が100年に近い緞通であれば経時(年)劣化を起こしていることもあります。洗浄剤の調合や洗浄方法を思案するためのとても大切な作業となります。

洗浄方法を想定したものをお客様に確認していただき、どの程度までのお手入れを行うのかを共有した上で洗浄作業を行います。

洗浄作業
シャワーを使いまんべんなく水を全体に浸透させます。洗浄剤を含んだ毛足のやわらかいタワシを使い、毛足を痛めないように緞通の目にそって丁寧に汚れを落とします。
(※当社ではカシミアのセーターも同様の工程で洗浄します。)
 
「敷き伸し(しきのし)」で使用されている糊(でんぷんのり)が経時(年)劣化を起こし灰汁(あく)となりますが、手作業による洗浄を行うことによって、緞通より汚れと共に流れ出ます。

濯ぎ・中和作業
噴霧器を使って、洗浄剤のpH値に合った中和剤を噴霧しながら、緞通の目に添わせながら濯ぎを行います。
(※濯いだ状態で少し酸性の属性を持たせます。)

脱水作業
サンドイッチ状になるようにタオルケットで緞通を包み込み、余分な水分を取り除きます。機械に頼る脱水ではなく、この作業を行うことによって毛細管現象を活用した自然な脱水となり、灰汁や染料の色移りを防ぐことができます。

仕上げ
緞通の制作と同様の「敷き伸し」作業を行います。四方に釘を打ち込み、調整しながら、ゆがみや反りを整形し、天日干しにて乾燥を行います。
(※製造当時に使用されていた「のり」が再生し、緞通特有の風合いが再び蘇ります。)

「敷き伸し」により、裏地にはキッパリした張り、表地には木綿独特の風合いを温存させることができます。そして、毛並みを整えて、ご納品となります。

1.色泣きを防ぎます。
水洗いによって染料がにじむ状態を防ぎます。
※色泣き、色移り、移染とも呼ばれます。
 
2.薬剤を藍に反応させません。
しみ抜きなどの薬剤を使用した際に藍が反応し変色することはありません。
※緞通は、その染料として藍を主な基本色 として使用されています。
※水洗いによる藍の色落ちは生じます。
 
3.灰汁(あく)を生地に残しません
緞通の制作工程の仕上げ作業である「敷き伸し」にて使用された糊は、経時(年)劣化を起こし、洗い作業の際、灰汁となります。
一般的なクリーニングでは、その灰汁が表面に出てくることがありますが、当社では灰汁を抑えるのではなく、脱水時に灰汁をタオルケットに移し取り、灰汁を生地に残しません。
 
4.型崩れをさせません。
緞通の制作工程と同様の乾燥作業をすることで、水洗いで生じる型崩れを起こさせません。
※収縮率を2%未満に抑えています。
 
5.毛先を傷めません。
手作業による洗浄を一環して行うため、緞通の特徴である鋏入れによるくっきりとした柄や手織り特有の風合いを残します。